知育の基本の考え方
1歳9か月~12か月ごろは、「自分で!自分で!」というのがとても強い時期です。
この「自分で!」というのは、発達や学習の原動力ですから、それを抑えるよりは、できる限り生かせるように環境を整えてあげることを意識しましょう。
子供は、大人が思っている以上に、しっかりと自我があり、自尊心があります。今はまだできることは限られていますが、過剰に子供扱いをされると、自我が傷つき、自尊心が傷つく、ということもあります。
トイレも、お着替えも、ご飯を食べるのも「自分で!」
でも、そのタイミングやペースというのは、大人の感覚と大きくずれてもいるものです。大人が着替えさせてしまえば2分で終わるものが、20分かけて着替えをすることになる・・・などということはしょっちゅうあります。
「自分で!」という一方で、甘えて「なんでもやってほしい」というのも同時にある時期でもあります。あれほど「自分で着替える!」としていたのに、急に「着替えさせて」となる・・・そんな風にコロコロ変わることもしょっちゅうです。
大人の感覚で言えば、大変なワガママなわけですが、まだまだ小さく「そういう時期」なのです。「ちょっとワガママすぎるかな?」「マイペース過ぎるかしら?」のように心配する必要はあまりありません。
「そういう時期」なのだと、少し割り切って、余裕をもって見守っていく。そんな心持ちで接することが、この時期の知育には大切なことです。
流派別の知育
モンテッソーリ教育
運動や感覚の敏感期が続いています。ボールをける、コマを回す、ねじを回す、といった今までよりも複雑な動きもだいぶできるようになってきます。
例えばボールをける、ということも「止まっている球をける」「転がってきた球をけり返す」「転がってきた球を足で止める」「走りながらけり続ける(ドリブル)」など、難易度に差があります。簡単なものから挑戦して「上手にできる」という楽しさのなかで上達していけるように、難易度を上手く調整してあげるとよいでしょう。
シュタイナー教育
シュタイナー教育では、親の役割は「手本を示すこと」です。良好な人間関係を結べるように育ってほしければ、親が周囲の人と「良好な人間関係」のお手本を示す、ということになります。
落ち着いた会話、ユーモアのあるコミュニケーション。こういった「お手本」を子供はよく観ていて、吸収しています。「悪い見本」であっても、お手本として吸収していきますからその点は要注意です。
七田式
「お絵かき遊び」も七田式で推奨されています。小さい頃のお絵かきのポイントは「できるだけ大きな紙を用意する」ということです。小さな紙だとすぐにクレヨンなどがはみ出してしまって、親の方も気にしてしまったりするもの。お絵かきを楽しくしてもらうには、模造紙などの大きな紙を用意して、思う存分自由に描ける状態だと、楽しくお絵かきをしやすくなります。
ドーマン・メゾット
ドーマンメソッドでは、口頭でののコミュニケーション以上に、子供に「読み」を教えることを推奨しています。「お母さん」という文字を覚えます。子供は天才です。
この時に「大きさ」が重要です。一文字の大きさは10センチほど欲しいのです。とても大きな字です。線の太さも1センチほど欲しいのです。とても太い字です。これくらいの大きさだと、0歳の赤ちゃんでもしっかりと認識して吸収することが出来ます。(漢字もです!)
ドーマンメソッドでは、子供に「ひらがなから。次にカタカナ」という教え方をしません。子供の脳ははひらがなも、カタカナも漢字も、どんどんと吸収していくからです。
読みは
1.単語
2.二語文
3.短文
4.文章
5.本
の段階で吸収していきます。
今月のまとめ
- 「自分で!自分で!」という気持ちをできる限り生かせるように環境を整えてあげる
- 過剰な子ども扱いはしないように気を付ける
- 「そういう時期」なのだと、少し割り切って、余裕をもって見守っていく
- 簡単なものから挑戦して「上手にできる」という楽しさのなかで上達していけるように、難易度を上手く調整してあげる
- 親の役割は「手本を示すこと」、悪いお手本も吸収してしまうので注意
- お絵かき遊びのポイントは「できるだけ大きな紙を用意する」
- ドーマン・メゾットでは、口頭でののコミュニケーション以上に子供に「読み」を教えることを推奨