シュタイナー教育の考え方や特徴、歴史などを紹介します。
シュタイナー教育とは
創始者
ドイツの思想家、ルドルフ・シュタイナーが打ち立てた教育法。
輩出
俳優の斎藤工さんや、「モモ」などで有名な小説家のミヒャエル・エンデ、元ノルウェー首相のイェンス・ストラテンベルグなどを輩出しています。
シュタイナー教育の特徴
基本の考え方
幼児期(7歳くらいまで)における知識の詰込みなどに否定的なところがシュタイナー教育の特徴的なところです。
シュタイナー教育では「世界は善であり、その世界に私は受け入れられている」と子供が感じられる、というような状況を提供することが大切だとされています。
大人の役割は「教える」ことよりも「手本を示す」ことだとされます。例えば、ピアノを教えるというよりも、ピアノを楽しく引いている姿を見せる。「お手伝いをしなさい」というよりも、掃除や料理などをしている姿を見せる。そういった「お手本であること」が、保護者や教育者に求められるという考え方です。
子供たちの想像力を奪わないように<素朴な>おもちゃを大切にする、というところも特徴です。「すでに顔の描いてあるプラスチック製の人形」よりも、布や毛糸や、枝といったものを使って、子供たちが想像力を発揮できるようなおもちゃがよい、といった考え方をします。
布のほつれの部分を「ここが、この子の目だよ」などとイマジネーションを発揮することに関して、子供は天才的です。
またシュタイナーは「子供にには刺激が強すぎる環境」も教育によくない、と考えていました。シュタイナー教育をしている学園などは、どこか素朴な雰囲気があります。
子供部屋を、派手な照明でキラキラさせる・・・というような人はあまりいないかもしれませんが、例えばTVでアニメを見たりしていたら、かなりの明滅があることもあります。こういった「過剰な刺激」から、むしろ子供たちを守り、自然の中で暮らすようなことを指向しています。
室内の照明が最低限のものであれば、太陽のあかりがよく感じられます。曇りの日は薄暗く、晴れた日は明るいところと影のあるところがはっきりと感じられるでしょう。太陽が雲に隠れると急に部屋が暗くなったりもします。
こういった「自然を感じられる」ことや「過剰な刺激がない」ことを、特に幼児期の環境として大切にしています。
シュタイナー教育は、人間の土台となる「道徳」を涵養(※ 自然にしみこむように、養成すること。無理のないようだんだんに養い作ること)することを大切にしています。「知的理解力」よりも「創造力」を重視するということも、シュタイナー教育の特徴といえます。
創始者のシュタイナー自身が、非常に哲学的な人物であったこともあり「人間とはどうあるべきか?」といった哲学的思想が、その根本にあるものだと考えてよいでしょう。
子どもの発達区分に対する考え方
シュタイナー教育では、次の3つの発達段階に区分します。
- 0~7歳の乳幼児期は身体を育てる時期
- 7~14歳の学童期は心を育てる時期
- 14~21歳の思春期・青年期は思考を育てる時期
乳幼児期
身体が健全に育つことが最重要視されます。
学童期
いわゆる”教育”的なものが始まります。しかしここでも、例えば「算数をできるようになる」などといったことよりも、真善美についての理解を深める・・・といったことを重視するのがシュタイナー教育の特徴です。真なるもの、善なるもの、美なるもの、それを体現する存在として教育者や親が存在している、ということを重視します。
思春期・青年期
14~21歳の思春期・青年期になって初めて「思考を育てる時期」となります。
また、人間の気質も4つあると考えます。
- 憂鬱質
- 粘液質
- 多血質
- 胆汁質